親の家・空き家どうするナビ

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内覧前の現地準備

空き家の内覧前にどこまで整える? 当日の安全・鍵・照明・不具合の確認表

空き家の内覧前は、見栄えを整えるより先に、来訪者が安全に玄関から各室を見られる状態を作ります。通路の転倒物、割れたガラス、床の沈み、漏水、害虫、落下物、庭木や塀を確認し、危険箇所は立入禁止にして不動産会社へ共有します。次に、使う鍵、開ける部屋、電気・水道の状態、照明、換気、不具合、残す家財を一枚にまとめます。

大がかりな修繕や全量処分を、内覧前に必ず済ませる必要があるとは限りません。清掃・家財撤去・修繕の費用が販売条件に見合うかは、物件の状態と売却方法で異なります。一方、知っている雨漏り、腐食、設備故障などを見た目だけで隠すのは避け、物件状況確認書等で何をどこまで伝えるかを媒介する不動産会社へ確認します。本稿は準備手順であり、安全性や契約上の告知範囲を確定するものではありません。

空き家の内覧前に玄関から各室への通路と照明を確認する家族
片付けは安全な内覧動線から始め、見せられない場所は事前に共有します。

モデルケース

内覧前の見栄えより、危険箇所を優先したGさん

Gさんは初めての内覧を前に、実家を少しでも良く見せようと家族で掃除を始めました。古い家具を動かし、雨戸を開け、傷んだ部分を布や箱で隠せば印象がよくなると考えていました。不動産会社からは二組が来ると聞いており、前日まで時間がありませんでした。

作業中、廊下の一部が踏むと沈み、和室の雨戸は途中で止まりました。父は『ゆっくり歩けば平気』と言いましたが、子ども連れの内覧者が来る可能性もあります。また、家具を動かした跡には雨染みがあり、いつからあるのか家族は答えられませんでした。Gさんは見た目を整えることより、案内できる範囲を決める必要があると気づきました。

床の沈む場所はテープと表示で近づけないようにし、雨戸は無理に開けませんでした。鍵、照明、換気、案内する部屋、立入りを避ける場所、把握している不具合を一枚にまとめ、不動産会社へ写真と一緒に送りました。修繕は内覧前に急いで発注せず、購入検討者への説明と費用対効果を相談してから判断することにしました。

当日は不動産会社が最初に危険箇所を説明し、決めた順路で案内できました。家が新品のように見えることはありませんでしたが、来訪者がけがをする心配を減らし、雨染みについても分かる範囲を同じ言葉で説明できました。Gさんは不要な応急工事へ費用を使わず、内覧後に必要な確認へ予算を回せました。

判断の分かれ目

不具合を隠したまま案内すると、来訪者の転倒や、後から説明不足と受け取られるおそれがありました。

確認して選んだこと

危険箇所を立入禁止にし、鍵、照明、開ける部屋、不具合を一枚にまとめて不動産会社へ共有しました。清掃や修繕は、必要性と費用を相談してから決めました。

結果と損得

不要な修繕を急いで発注せず、安全に案内できました。知っている不具合を先に共有したことで、内覧後の説明の食い違いも減りました。

判断整理票

この記事の結論

準備の順番は、①建物外周と室内の危険確認、②内覧動線と鍵の確定、③電気・水道・照明・換気の扱い決定、④不具合と残置物の記録、⑤当日の担当・入退室記録です。安全に見せられない場所は、無理に開放せず理由を説明します。

最低限整える

玄関までの道、主要室への通路、足元、手すり、照明、鍵、換気、臭い、連絡先を確認します。

無理にしない

通電・通水の自己判断、屋根・床下・屋根裏への案内、故障設備の試運転、不具合を家具で隠すことは避けます。

内覧の可否を決める最初の分岐

状態判断次の連絡
傾き、床の抜け、天井落下、強い漏電・ガス臭、倒れそうな塀内覧を中止。敷地・建物へ入れない緊急性に応じ119等、ライフライン、建築士・施工会社、管理会社
一室だけ床沈み、漏水跡、害虫、割れた窓等専門家確認まで当該室を閉鎖。ほかの範囲も担当者と再判断不動産会社、建築士、修繕・害虫事業者
設備停止・暗所・家財過多で安全動線が作れない日程変更、昼間限定、人数制限、オンライン資料等を検討不動産会社、片付け・電気工事等の事業者
危険兆候がなく主要動線を確保できる開放範囲と注意事項を決めて実施当日担当者と鍵・設備・記録を共有

所有者が安全に見えると感じても、専門家の確認に代わりません。災害直後、長期間無管理、雨漏り継続、シロアリ・腐朽、擁壁異常がある場合は、内覧日を先に確定せず建物確認を相談します。来訪者が自己責任で見るという同意だけで危険管理が不要になるとは考えません。

1週間前からの準備順

  1. 外周を確認する。道路から玄関までの枝、段差、苔、側溝、門扉、塀、郵便物、蜂の巣、落下物を見ます。草木の手入れは境界を越えず、脚立・高所作業は専門業者へ任せます。
  2. 室内の動線を一本作る。玄関、居間、水回り、主要寝室へ幅を確保し、箱やコードを避けます。家財は別室へ押し込むだけにせず、見せない部屋を鍵・表示で管理します。避難経路と出口を塞ぎません。
  3. 鍵を照合する。玄関、勝手口、門、物置、シャッターごとに番号を付け、複製本数と保管者を記録します。鍵を屋外の分かりやすい場所へ隠さず、預ける場合は受領記録を残します。
  4. 設備の扱いを決める。電気・水道・ガスが契約中か、元栓・ブレーカーの状態、通電・通水してよいかを確認します。長期停止後の再開や漏水の疑いがある設備を内覧当日に試しません。
  5. 不具合一覧を更新する。場所、発見日、症状、発生条件、応急措置、写真、業者確認の有無を記録します。「直ったと思う」ではなく現状と未確認を分けます。
  6. 前日に連絡を一本化する。開始・終了、人数、車両、開放範囲、靴・ライト等の注意、緊急連絡先、終了後の施錠担当を共有します。
空き家の鍵と内覧範囲、照明、入退室を照合する確認表
鍵は場所別に番号を付け、誰がいつ受け取り施錠したかを残します。

当日の確認表

時点確認項目記録欄
到着時外周変化、異臭、漏水、停電、侵入跡、近隣工事時刻、確認者、写真番号、中止判断
開錠前鍵番号、扉の変形、警備、ペット・害獣の兆候使用鍵、開放箇所、注意事項
案内前照明、足元、換気、室温、危険室の閉鎖設備状態、閉鎖理由、代替資料
案内中来訪人数、開けた収納、質問、不具合の説明質問と回答保留、追加確認担当
終了時窓・水栓・照明・ブレーカー・扉・門の状態施錠時刻、鍵返却、異常、次回対応

収納を開ける範囲は事前に決め、個人情報、薬、刃物、貴重品は移します。買主候補から設備の作動確認を求められても、故障・漏電・漏水の懸念がある場合はその場で動かさず、「未確認」として担当者へ引き継ぎます。質問へ即答できないときは推測せず、回答期限と確認先を記録します。

不具合の伝え方と相談準備

既存住宅の売買では、建物状況調査のあっせんや、調査結果の概要、当事者双方が確認した建物状況に関する書面などが宅地建物取引業法上関係します。建物状況調査は定められた講習を修了した建築士が基準に基づき行うもので、売主の自己点検や一般的な住宅診断と同じではありません。実施の要否、時期、結果の扱いは不動産会社へ相談します。

  • 場所:部屋名、方角、壁・天井・床、屋外との位置関係。
  • 症状:染み、音、臭い、変形、作動不良。断定できない原因は書かない。
  • 時期:初めて気づいた日、最後に確認した日、雨天時だけ等の条件。
  • 対応:修理会社、修理日、内容、保証書、再発、現在の未確認。
  • 資料:写真番号、見積・領収書、図面、保険連絡、近隣からの連絡。

内覧準備の費用を掛ける前に、不動産会社へ販売対象と買主層、写真撮影日、内覧頻度、残置物条件を聞きます。清掃は換気・水回り・床など衛生と安全へ絞る選択もあります。修繕する場合は、工事範囲、販売価格への反映見込みを保証として受け取らず、複数案を比較します。

相談先と持参物

相談先確認内容持参物
不動産会社内覧範囲、準備水準、告知・書面、鍵管理間取り、写真、不具合一覧、鍵台帳、設備資料
建築士・施工会社危険箇所、修繕、建物状況調査図面、症状写真、修理履歴、災害・漏水履歴
電力・水道・ガス、各工事業者再開、点検、漏電・漏水・ガス設備契約情報、停止時期、設備型番、異常記録
管理・清掃・片付け事業者安全動線、換気、清掃、家財移動作業範囲、保留品、鍵受渡し、写真要件

不動産会社との事前打合せで決めること

内覧希望の受付期限、同時に入る人数、子どもの同行、雨天・強風・猛暑時の中止基準、駐車場所、近隣への配慮、撮影可否、収納を開ける範囲を決めます。売主が立ち会わない場合は、担当者が判断できる範囲と、異常発見時に内覧を中止する条件を文書で渡します。鍵の複製禁止、持出し、返却時刻、紛失時連絡も管理ルールへ含めます。

当日回答できない質問は、質問者、質問内容、確認先、回答期限、回答方法を記録します。境界、再建築、設備修理、近隣関係、災害履歴など、推測で答えると後の説明と食い違います。「分からないため確認する」と伝えることを、準備不足と捉えない運用にします。

内覧後に更新する記録

施錠写真、鍵返却、設備の停止状態、来訪者からの質問、新しく見つかった不具合、次回までの作業を追記します。複数回の内覧で同じ原本へ上書きせず、実施日ごとに版を残します。

行動の順番

読んだあとに進める3ステップ

  1. 安全分岐を決める

    外周・室内の危険兆候を確認し、中止・閉鎖・実施のどれかを担当者と決めます。

  2. 鍵と動線を一枚にする

    開放室、通路、照明、設備、鍵番号、立入禁止箇所を間取りへ記録します。

  3. 不具合と当日記録を共有する

    症状と未確認を分け、入退室・質問・施錠を残せる確認表を渡します。

公式参考情報

公開日再確認:2026年9月21日の公開前に、宅地建物取引業法関係、建物状況調査、空き家管理指針を再確認します。物件状態、契約、地域、ライフラインで必要な準備は異なります。