相続土地の制度確認
家付き土地はそのまま申請できる?相続土地国庫帰属制度の確認
相続した家と土地を使う予定がなく、国に引き取ってもらえないか考えている方向けの記事です。相続土地国庫帰属制度は、相続や一部の遺贈で得た土地を、国に引き取ってもらうための制度です。遺贈とは、遺言で財産を渡すことです。申し込める人と土地に条件があります。審査で認められた後、決められたお金を納める必要があります。
法務省の案内では、「建物がある土地」は申請段階で却下される条件に当たります。そのままでは申請を進められないとされています。ただし、家をこわせば必ず認められるわけでもありません。土地の境目、他人の権利、地面の上や下にある物、崖、管理の手間なども調べられます。申請できるか、審査で認められるかは、土地ごとに確認が必要です。
最初に確認
この記事の結論
家がある土地は、家と土地を分けて考えます。まず、法務省の最新の案内で、申し込める人と土地の条件を確認します。その後、法務局へ相談しましょう。家をこわしても認められるとは限らないため、売る方法なども残します。
まずやること
最新の手引きとQ&Aを読みます。土地、家、相続、一緒に持つ人の資料と、今の状態をまとめます。
今はまだしないこと
土地のほかの条件や、売る方法を確認する前に、家をこわす契約を決めません。
まず5つを確認する
| 順番 | 確認すること | 先に決めない理由 |
|---|---|---|
| 1. 申し込める人 | 相続か、対象になる遺贈で得た土地か、一緒に持つ人がいるか | 土地を得た方法や、申し込む人に条件がある |
| 2. 申請段階の条件 | 家、借金の担保、他人が使う権利、土の汚れ、土地の境目 | 当てはまると、申請が却下される場合がある |
| 3. 審査で認められない条件 | 崖、地面の上や下にある物、隣の土地との問題、管理の手間 | 実際の土地の状態も調べられる |
| 4. かかるお金 | 申請時の審査手数料と、承認後の負担金 | 払う時期と目的が違う |
| 5. 相談と申請 | 相談する法務局、資料、手続き、かかる期間 | 相談と申請は別の手続き |
法務省の案内では、審査手数料は土地一筆ごとにかかります。一筆とは、登記簿で一つとして数える土地です。申請を取り下げた場合や、却下・不承認になった場合も、手数料は返されないとされています。金額や払い方は変わる可能性があります。申請するときに、公式の案内を確認してください。
家をこわす前に、法務局へ聞く
「家がある」という条件だけをなくすために、すぐ工事を契約しないようにします。家の名義、こわす費用、市区町村での手続き、こわした後の税金と土地の管理を確認してください。土地にほかの条件がないか、法務局へ相談します。相談しても承認が約束されるわけではありませんが、次に調べることを整理できます。
- 登記事項証明書、公図、地積測量図など、土地と家の資料。公図は土地の大まかな位置を示す図です。地積測量図は土地の形や面積を示す図です。
- 相続した人、土地を得た時期、一緒に持つ人、借金の担保や他人が使う権利。
- 境界標(土地の境目を示す杭など)、隣の人との話、通路や水路を誰が使っているか。
- 家、物置、塀、木、残った物、井戸、地面の下にある物の状態。
- 崖、崖を支える壁、土の汚れ、災害や管理で困っていること。
申請段階の条件と、審査で認められない条件
| 区分 | 例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 却下要件(申請段階で却下される条件) | 家、借金の担保、他人が使う権利、土の汚れ、土地の境目の争いなど | 申請前に、登記の記録と今の状態を見比べる |
| 不承認要件(審査で認められない条件) | 一定の崖、管理をじゃまする物、隣の土地との問題、大きな管理の手間など | 自分だけで決めず、法務局へ相談する |
土地の境目を示す杭が見えないだけで、法律上の条件に当てはまるとは限りません。木や塀などがあっても、すべて不承認になるとは限りません。自分の土地が条件に当てはまるかは、法務局へ確認してください。必要に応じて、土地家屋調査士、司法書士、弁護士などへ相談します。
申請時のお金と、承認後のお金を分ける
審査手数料は、申請するときに払うお金です。負担金は、承認された後に知らせを受けて払うお金です。負担金を納めると、土地の所有権が国へ移る流れです。負担金は、土地の種類や広さなどで計算が変わる場合があります。自分で金額を決めつけず、最新の計算方法を公式の案内で確認してください。
売る・譲る・管理する方法とも比べる
| 選択肢 | 確認すること | 注意したいこと |
|---|---|---|
| 売る | 家を残すかこわすか、不動産会社に仲介を頼むか買い取ってもらうか、費用 | 売れる金額や時期は決まっていない |
| 寄付する・譲る | 市区町村や隣の土地の持ち主が受け取る条件 | 相手が受け取るとは限らない |
| 管理を続ける | 点検、草木、税金、保険、家族の担当 | 安全と近所への配慮を続ける必要がある |
| 国庫帰属制度 | 申し込める人、土地の条件、手数料、負担金 | 審査があり、承認されるとは限らない |
比べるときは、受け取るお金だけを見ないようにします。家をこわす費用、土地を測る費用、手続きにかかる時間も入れます。承認されない場合や、売れない場合も考えます。手続きが終わるまでの管理も必要です。家族で、いつまでに、誰が、何を調べるかを決めましょう。
モデルケース
240万円の解体を急がず、Tさんが先に探した出口
Tさん(63歳)は、遠方にある古い家と300平方メートルの土地を相続しました。買い手は見つからず、年間管理費24万円の負担だけが続きます。相続土地国庫帰属制度を知っても、手元には240万円の解体見積もりがあり、「先に壊して、承認されなかったらどうしよう」という不安で動けずにいました。
制度の手引きで、解体後にも条件が残ると知った
Tさんは法務省の案内を読み、土地の資料をそろえて法務局へ相談することにしました。建物がある土地は却下要件に当たり、そのまま国庫帰属を申請できません。さらに、建物をこわしても、境界、他人の利用、地中の物、管理の負担など別の条件が残ると分かりました。そこで、国庫帰属へ進む道、50万円で売り出す道、隣地所有者へ譲る相談をする道を、先に必要なお金と管理が終わる時期で見直しました。
Tさんが解体前に確かめた3つの出口
| 選択肢 | 費用の条件 | 結果の試算 | 期間・注意 |
|---|---|---|---|
| 建物を解体して国庫帰属を申請する | 解体240万円、1筆分の審査手数料1万4,000円、負担金20万円区分のモデル条件 | 表に記載した支出だけで261万4,000円以上 | 承認は保証されず、審査中の管理期間は未設定 |
| 50万円で6か月だけ売り出すTさんのモデルで選択 | 準備20万円、年間管理費24万円 | 4か月目に50万円で成約した場合、50万円 − 20万円 − 8万円 = 税引前の比較額22万円。仲介手数料・税金は未計上 | 4か月分の管理費は24万円 × 4 ÷ 12 = 8万円 |
| 隣地所有者へ譲る相談をする | 測量・手続き60万円のモデル条件 | 譲渡金0円なら、表に記載した費用だけで税引前−60万円 | 相手が受け取るとは限らず、期間は未設定 |
先に解体せず、売却へ動いた結果
Tさんは解体契約をせず、50万円で6か月だけ売り出す道を選び、4か月目に成約しました。売却額50万円から準備20万円と4か月分の管理費8万円だけを差し引いた税引前の比較額は22万円です。未計上の仲介手数料と税金を差し引く前の金額ですが、Tさんは大きな支出を先行させず、管理を終える道筋を持てるようになりました。
国庫帰属と譲渡に残った確認事項
国庫帰属を検討する案は、解体費240万円、1筆分の審査手数料1万4,000円、負担金20万円区分のモデルで、記載した支出が261万4,000円以上です。ただし、審査にかかる期間と、その間の管理費を入れていないため、売却案との差額を総額として確定することはできません。隣地所有者へ譲る道も、相手の意向と必要な手続きによって変わります。Tさんに残ったのは、処分方法を決める前に、先行費用と終わる時期を一緒に確かめるという教訓でした。
Tさんが解体の前に続ける確認
法務省の最新案内を読み、土地の資料をそろえて法務局へ相談します。同時に、低い価格での売却、隣地所有者への譲渡、管理継続について、必要費用と期限を一枚にまとめます。解体は、その確認が終わってから判断することにしました。
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忘れやすいこと
- 相続した土地なら、家があっても申請できると思う。
- 家をこわせば、ほかの土地の条件に関係なく認められると思う。
- 申請時の審査手数料と、承認後の負担金を同じお金だと思う。
- 土地ごとの登記、境目、一緒に持つ人、借金の担保、他人の利用を確認していない。
- 申請中も、持ち主が土地を管理する予定を入れていない。
次は、法務省の最新の手引きとQ&Aを読みます。その土地を担当する法務局へ、相談方法を聞いてください。資料が足りないときは、分かることと、まだ分からないことを分けて伝えます。家をこわす、土地の境目を調べる、登記や税金、売却を進める場合は、市区町村や専門家にも確認してください。
参考情報
申請資格、却下・不承認要件、審査手数料、負担金、手続は最新の公式案内と個別事情で確認が必要です。管轄法務局や専門家へご相談ください。
制度を選ぶ前に、土地と家の方法を整理する
10問に答えると、売る、買い取ってもらう、こわす、使うなど、次に調べたいことが分かります。
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