親の家・空き家どうするナビ

親の家や空き家をどうするか、順番に考えるための情報サイトです。

空き家の年間負担

空き家の維持費は固定資産税だけじゃない? 年間負担を見える化する方法

空き家の年間負担を、書類と電卓を使って整理する女性
税金だけでなく、管理、修理、移動にかかったお金も一つの表にまとめます。

親の家が空き家になると、税金以外にもお金と手間がかかります。 保険料や電気・水道代は、口座から引かれます。 草刈り、修理、家までの交通費は、そのつど支払います。 支払いがばらばらなので、1年分の合計が見えにくくなります。

この記事では、自分の家に実際にかかったお金と手間を一つの表にする方法を説明します。 一般的な相場ではなく、自分の記録を使います。 税金、保険、修理の内容は、家や契約によって違います。 分からない点は、納税通知書や契約書を見て、自治体、契約先、税理士などへ確認してください。

判断整理票

この記事の結論

まず、直近12か月にかかった税金、保険、管理、修理、移動を書き出します。家族が使った時間も記録します。その1年分をもとに、持ち続ける、売る、こわすなどの案を比べます。

まずやること

通知書、通帳、カードの明細、領収書、家へ行った記録を12か月分集めます。

今はまだしないこと

税金や今月の支払いだけを見て、家を持ち続けるか手放すかを決めません。

空き家の負担を4つに分ける

負担の種類たとえば見るもの
毎年かかりやすいお金固定資産税、保険料、残している電気・水道など納税通知書、保険証券、契約の明細
管理にかかるお金見回り、草刈り、そうじ、庭木の手入れ領収書、振り込みの記録、作業メモ
急にかかったお金雨漏り、故障、台風後の修理、害虫への対応見積書、請求書、修理前後の写真
移動と家族の手間交通費、宿泊費、作業時間、連絡や立ち会い交通の記録、カレンダー、家族のメモ

税金以外を覚えていなくても、最初から正確な合計を出す必要はありません。 まず、銀行やカードの記録を1年分見ます。 空き家に関係する支払いへ印を付けましょう。 次に、現金で払った作業代や、家族が代わりに払った交通費を足します。

1年分の表を作る5つの手順

  1. 直近12か月を対象にします。納税通知書、通帳、カードの明細、領収書を集めます。
  2. 支払った日、内容、金額、支払った人を1件ずつ書きます。次に支払う時期も分かれば書きます。
  3. 家へ行った日数も残します。草刈りや片付けに使った時間も書きます。
  4. 1回だけの修理と、何度もかかる管理費を分けます。
  5. 来年に必要そうな点検や修理は、「まだ決まっていない予定」として別に書きます。
12か月分の支出資料を月ごとに分けて整理した机
月ごとに分けると、毎回かかるお金と、急にかかったお金が見つけやすくなります。

家族が何人かいる場合は、だれが多く払ったかを責めるための表にしません。 事実をみんなで見るために使います。 鍵の管理、近所からの連絡、現地での立ち会いも書きましょう。 お金以外の負担も話し合いやすくなります。

来年のお金は、決まった分と予備に分ける

1年分がまとまったら、来年もかかりそうなお金を考えます。 「毎年の支払い」「いつもの管理」「予定している修理」「急な出費への予備」の4つに分けます。 修理代は、家を確認する前に決めつけないでください。 気になる場所と、見積もりがあるかどうかを書きます。

保険や電気・水道などをやめたり変えたりできるかは、家の使い方や契約によって違います。 止めると、管理や急な対応に困る場合があります。 先に契約先へ確認してから決めましょう。

持つ・売る・こわすを同じ1年で比べる

比べるお金と手間先に確かめること
しばらく持つ今後1年の支払い、家へ行く回数、管理する人いつまで管理できるか、修理の予定
売ることを考える売れるまでの維持費、片付け、不動産会社への手数料や手続き今の状態での査定、名義、家族の考え
こわすことを考える工事費、家の中に残った物、工事後の土地管理家を残して売る案、見積もりに含まれる作業

売ったり、こわしたりしても、すぐに支払いがなくなるとは限りません。 相談、見積もり、家族の話し合い、契約、工事には時間がかかることがあります。 今月だけでなく、次の1年を同じ期間で比べましょう。

1年分の表は、負担の全体を知るための第一歩です。 最後に決める前には、何年も持つ場合の費用も確認します。 売った後に残るお金、工事費、税金の扱いも、それぞれ専門家へ確認してください。

モデルケース

1年分の領収書が、Cさんの休日を見せた

Cさん(48歳)は、自宅から車で2時間の実家へ月1回通っていました。固定資産税は年8万円。それだけなら続けられると思っていたものの、雨どいの修理や草刈りが重なり、気づけば休日まで見回りに消えていました。

領収書の束から見つかった負担

Cさんが1年分の領収書と移動日を並べると、税、保険、水道、交通、清掃、修理で52万2,000円、作業は72時間になりました。保険4万円は、空き家になったことを契約先へ伝え、契約を継続できることと補償範囲を確認した後の保険料です。そこで、5年間持つ道と半年で売却準備をする道を同じ表にしました。

3つの道を、費用と時間で見る

自主管理、管理委託、半年で売却準備をする場合の費用と時間
選択肢表に入れた金額比較額時間・負担
自分で管理を続ける税8万円 + 保険4万円 + 水道等3万6,000円 + 交通9万6,000円 + 清掃12万円 + 修理15万円年間52万2,000円年72時間。5年で261万円・360時間
管理を外へ頼む税8万円 + 保険4万円 + 水道等3万6,000円 + 管理24万円 + 交通2万4,000円 + 修理等19万円年間61万円年12時間。費用は増えるが移動が減る
半年で売却準備をするCさんの選択片付け等20万円 + 半年分の維持費26万1,000円売却までの負担46万1,000円売却完了後は毎年の維持費が止まる

Cさんが家族に伝えた結論

Cさんは「まず半年で売却の準備を進めたい」と家族へ伝えました。7か月目に980万円で成約した場合、準備20万円と7か月分の維持費約30万5,000円だけを差し引いた税引前の比較額は約929万5,000円です。仲介手数料と税金はこの額に含めません。

休日を取り戻す見通し

自分で5年間管理する案では約261万円と360時間が必要です。7か月で売却できれば、その後4年5か月分の維持費約230万円と多くの休日を使わずに済みます。管理委託なら時間は減らせますが、年間費用は自主管理より8万8,000円増える試算でした。

Cさんが手元に残した一覧

税金、保険、光熱費、交通、清掃、修理を1年分の表にしたことで、売却準備に必要な費用とも迷わず比べられるようになりました。保険は契約先へ空き家の状況を伝え、継続の可否、補償範囲、保険料を確認することも忘れません。

よくある見落とし

  • 家族が代わりに払ったお金や、現金で払った草刈り代を書いていない。
  • 交通費だけを書き、移動した日数や作業時間を数えていない。
  • 1回だけの修理と、何度もかかる管理費を分けていない。
  • 売る、こわすと決めるまでにも維持費が続くことを考えていない。
  • 税金や保険の扱いを、自分の家や契約で確かめていない。

表ができたら、1年後もこの負担を続けられるか家族で話します。 売る、貸す、こわすために、次に何を調べるかも決めます。 結論が出なくても大丈夫です。 次に確認する日と、確認する人だけは決めておきましょう。

行動の順番

読んだあとに進める3ステップ

  1. 1年分を集める

    税金、保険、管理、修理、交通費を月ごとに集めます。家で作業した時間も書きます。

  2. お金と手間を分ける

    毎回かかるものと、急にかかったものに分けます。分からない費用は契約先などへ確認します。

  3. 来年の案を比べる

    持つ、売る、こわすなどの案を1年分で比べます。次に確認する人と日も決めます。

参考情報

税額、保険、契約、修繕の必要性は個別条件で異なります。自治体、契約先、税理士、建築・不動産の専門家へご確認ください。

空き家にかかるお金を整理したら、次の案を比べる

10問に答えると、売る、買い取ってもらう、こわす、使うなど、次に何を調べるかが分かります。

約3分の無料診断を試す