解体前の制度確認
空き家の解体補助金はいつ調べる?見積もり・契約前の確認手順
親の家や相続した空き家をこわす前に、補助制度を調べたい人向けの記事です。市区町村によっては、解体(家をこわす工事)のお金を一部支える制度があります。ただし、すべての地域や家で使えるわけではありません。申し込める時期、家や持ち主の条件、必要な書類、予算は、市区町村ごとに違います。
とくに大切なのは、契約や工事を始める時期です。制度によっては、申請や交付決定より先に契約・工事をすると、対象外になる場合があります。交付決定とは、市区町村が補助金を出すと決めて知らせることです。補助を受けられると決めつけず、見積もりを頼む段階で担当窓口へ確認してください。
最初に確認
この記事の結論
解体の補助制度は、市区町村や年度によって条件が違います。見積もりを頼むときに、今年の情報を確認しましょう。補助を使えると決めつけず、家を残して売る方法なども比べます。
まずやること
家がある市区町村へ連絡します。今年の制度、対象、受付、契約と工事の時期を聞きます。
今はまだしないこと
申請、交付決定、契約、工事の順番を聞く前に、工事の契約を決めません。
こわす前に、ほかの方法も比べる
「古いからこわす」と、すぐに決める必要はありません。家を残して売る、直して使う、しばらく管理する方法もあります。買う人が家を使いたいこともあります。家をこわした後、土地を思ったように使えない場合もあります。不動産会社や建物の専門家へ今の状態を伝え、家を残す場合とこわす場合を比べましょう。
| 確認する方向 | 先に聞くこと | 記録すること |
|---|---|---|
| 家を残して売る | 今のまま売り出せるか | 売る条件、必要な調査、費用 |
| 家をこわした後に売る・使う | 家がない土地を何に使えるか | 道路とのつながり、新しい家を建てられるか、税金、管理 |
| しばらく管理する | 決めるまで、どう安全を守るか | 点検、草木、近所への連絡、保険 |
見積もりや契約の前に進める順番
| 順番 | すること | 聞くこと |
|---|---|---|
| 1. 制度を探す | 家がある市区町村のサイトや窓口を見る | 今年の制度、受付期間、予算 |
| 2. 条件を読む | 家、持ち主、工事の条件を読む | 空き家の期間、家の傷み、税金の支払い、工事会社の条件など |
| 3. 順番を聞く | 申請、交付決定、契約、工事の順番を聞く | 何をする前に、どの手続きが必要か |
| 4. 見積もりを集める | 同じ工事内容で複数の会社へ聞く | 家に残った物、物置や塀、土地を平らにする作業、追加料金 |
| 5. 書類で確かめる | 申請書類と工事の日を見比べる | 契約や工事を始めてよい日、変更があるときの連絡先 |
この順番は、考え方の一例です。実際の手続きを保証するものではありません。市区町村から、見積書の形や見積もりを取る会社の数を決められることがあります。現地調査や、家の傷みを調べる作業が必要な場合もあります。古い年度のページだけで判断せず、今年の案内を確認してください。
市区町村へ伝えることを一枚にまとめる
- 家の住所、持ち主、一緒に持つ人、相続や登記の状況。
- 家の使われ方、木造などの造り、広さ、築年数、空き家になった時期。
- 家の傾き、屋根、外壁、雨もりなど、分かっている傷み。
- 家をこわしたい理由、希望する時期、その後に売るか使うか。
- 見積もり、契約、工事のうち、すでにしたこと。
分からないことは予想で書かず、「まだ分からない」と伝えます。家や土地を複数人で持つ「共有名義」の場合は、別の確認が必要になることがあります。登記に載っていない部分、道路の条件、家に残った物についても調整が必要な場合があります。誰の同意が必要かは、司法書士、土地家屋調査士、市区町村などへ確認してください。
見積書は「補助の対象」と「工事全体」に分ける
解体工事には、家のほかに物置、塀、木、家財が入ることがあります。地中埋設物(地面の下に残る物)や、整地(土地を平らにする作業)が関係する場合もあります。制度の対象と、見積書にある工事が同じとは限りません。「工事全体の金額」「補助の対象と説明された部分」「対象外かもしれない部分」に分けます。消費税と追加工事も確認してください。
金額だけで決めず、工事する範囲を比べます。ほこりが飛ばないための対策、近所への説明、ごみの処理、工事の日数、追加料金も書類で確認します。補助金が後から支払われる場合に、先にいくら必要かも聞きます。補助を受けられない場合に払えるかも考えておきましょう。
モデルケース
260万円の見積もりを前に、Rさんが確かめた順番
Rさん(57歳)は、傷みが進んだ実家を前に、解体を急いだほうがよいのではないかと焦っていました。手元の見積もりは260万円。上限50万円の補助制度を見つけて「これなら払えるかもしれない」と思う一方、補助を受けられると決まる前に契約してよいのか不安が残りました。
窓口への確認で、見る順番が変わった
Rさんは契約を急がず、自治体の窓口へ受付状況と手続きの順番を確認しました。このモデルの制度は、補助対象経費135万円、補助率3分の1、上限50万円で、135万円 × 3分の1 = 45万円が補助額です。予算に達すると受付終了となり、交付決定前の契約・着工は対象外になるため、Rさんは同じ工事範囲の見積もりと、古家付きで3か月売り出す道も並べました。
Rさんが机に並べた3つの道
| 選択肢 | 費用の条件 | 結果の試算 | 期間・注意 |
|---|---|---|---|
| 確認前に260万円で契約する | 解体費260万円 | 補助を受けられない想定 | 制度の申請・契約・着工順を外す可能性 |
| 自治体確認後に見積もりを比べるRさんのモデルで選択 | 見積もり235万円、補助対象経費135万円 | 135万円 × 3分の1 = 補助45万円、自己負担190万円 | 受付、交付決定、契約、着工の順を確認 |
| 古家付きで3か月売り出す | 準備20万円、年間維持費30万円 | 3か月分の維持費は30万円 × 3 ÷ 12 = 7万5,000円 | 売れない場合、制度の受付時期を逃す可能性 |
「確認してから契約する」と決めた結果
自治体への確認後、同じ工事範囲で取り直した見積もりは235万円でした。制度の確認を終えたRさんには45万円の交付があり、表に記載した費用だけを差し引いた自己負担は190万円になりました。最初の見積もり260万円で補助なしとする案との差は、このモデルの記載項目だけで70万円。Rさんは、補助を当てにして急ぐのではなく、補助なしでも払える額かを見たうえで進められるようになりました。
急いだときと、待ったときに残る不安
確認前に契約すると、申請順序や契約・着工時期の条件を外し、補助対象外になる可能性があります。古家付きで売る道なら解体費を先に出さずに済む可能性がある一方、3か月で売れる保証はなく、待つ間に受付や予算の条件が変わることもあります。Rさんにとって、金額と同じくらい大切だったのは、後戻りできない契約の前に順番を確かめることでした。
Rさんが契約前のメモに残したこと
自治体へ聞くのは、現在の対象、補助率と上限、受付、必要書類、申請・交付決定・契約・着工の順番です。同じ解体範囲で複数見積もりを取り、補助なしでも払える額かを確かめてから契約する。この順序が、Rさんの迷いを具体的な確認事項へ変えました。
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自治体の条件を確認したあと、同じ工事範囲で見積もり条件を比べたい方へ
解体工事110番
建物の構造や現地条件を伝え、解体工事の対応可否と見積もり条件を確認できるサービスです。補助制度の対象や採択を保証するものではありません。
忘れやすいこと
- 去年の案内を見て、今年も同じ条件だと思う。
- 見積もりを取ることと、工事の契約を結ぶことを同じだと思う。
- 受付中なら、必ず補助を受けられると思う。
- 家、家財、地面の下にある物、土地を平らにする作業が、すべて補助の対象だと思う。
- 家をこわした後の売り方、税金、新しい家を建てられるか、土地の管理を確認していない。
次に聞くこと
まず、家がある市区町村へ連絡します。制度、対象、受付、予算、必要な書類、契約と工事の時期を聞きます。聞いた日、担当した課、案内ページ、受け取った書類を残しましょう。工事会社には、制度を確認中だと伝えます。売る方法、家の安全、登記、土地の境目、税金は、それぞれ不動産会社や専門家へ相談してください。
参考情報
支援制度の有無、対象、申請時期、予算、必要書類は自治体や年度で異なります。契約・着工前に物件所在地の自治体へご確認ください。
家をこわす前に、ほかの方法も整理する
10問に答えると、売る、買い取ってもらう、こわす、使うなど、次に調べたいことが分かります。
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